Fly Me to the Moon

そう、あたしはいつだって、どんなときだって、"あなた"の傍に。

2017-10

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静かに涙して、眠りにつくのでしょうか。
(僕は、必死に手を伸ばすのです。)(きみに届きますように、と。)

『現実主義彼女と刹那主義な彼女。
二人は同じで、違っていました。
二人は一つで、二つでした。
二人には、全部あるようで、何もありませんでした。
だから、二人は、倖せなようで、孤独でした。』



「何それ。」
「えー?葎にぃが言ってた言葉をそのまま言ってみた。」
「りっちゃん。うっわ。まだ生きてたんだ。」
「……葎にぃにチクっていい?」
「すいません、ごめんなさい、今日はあたしがお料理します、ハルヒ様。」
「宜しい。」




アズリが両手で大切そうに抱える其れは、詩集でも本でもなく、ただの一冊のノート。
其れは何の変哲もないただのノートでした。
でも、そのノートは、二人にとってはただのノートなんかじゃありませんでした。





「っにしても、葎にぃも相変わらず唐突だなー。」
「んー、そうだねー。あ、ハルヒ、ハーゲンダッツも買ってー。」
「っもー。仕方ないな。ほら、入れなよ。」
「えへーvありがと、ハルヒ大好きー♪」
「はいはい。本当アズリってゲンキン。」
「んー?失礼な。ハルヒのことは本当に大好きよー。」
「分かってるって。いいだろ?たまにはからかっても。」
「いっつもからかわれてる気がするのはあたしだけ?」
「はい会計いこーか。」

ハルヒは右手にカゴを持ち、左手でアズリの手を引っ張って会計をしにレジに向かった。

「1596円になります。」
「ほらー、無駄にアズリが買わそうとするから。」
「えー。りっちゃんの頼んだもののほうが多いでしょー?」
「何でもいいよ、もう。」

1596円丁度をレジのお姉さんに手渡し、買ったものを受けとった後、二人はコンビニから出た。
ハルヒは買い物袋の中からハーゲンダッツと、それについてきた有名なロゴ入りのスプーンを取り出し、アズリに手渡した。
アズリは其れを受けとり嬉しそうに微笑う。
そんなアズリを見てハルヒはため息混じりに微笑った。

「でもさー、りっちゃん今爆睡してるでしょー?ほっといてもよかったんじゃない?」
「駄目だってば。葎にぃ、するめとビールが生き甲斐だから。」
「はーっ。なんか干物女なみだねー。ほら、りっちゃんいつもジャージ。」
「言うなら干物男だけどねー。」
「そりゃそうだねー。」

二人は談笑しつつ、能力者だった親戚のことを考えていた。
彼が何故来たのか、それが疑問で仕方がなかったのだ。

「ていうか、来て早々、寝るし。」
「多分だけどさ、今アズリが持ってる葎にぃの詩集。取りにきたんじゃないかなって、俺思うよ?」
「あー、かもねー。りっちゃんの傑作詩集だもんね、此れ。」
「そうそう。葎にぃにしてはよく書けてるっていうかね。」
「うん、それー。」

やっとついたのは、二人の住まいである高層マンションの最上階。
全面硝子張りのグラスハウスのような廊下を通り抜け、二人は天井が全面硝子な部屋の鍵を開け、入った。
其処が、二人の住む部屋だった。
其処に、彼はいた。

「お帰りー。」
「ただいまー。ねっ、ねっ、りっちゃん!久しぶりにお話してよ!!」
「ぐはっ」

全速力で走ってきたアズリによって腹にタックルをうけた彼は、軽く倒れつつもアズリをきちんと支えた。
ハルヒはアズリの後ろから遅れて来て、そんなアズリと彼を見てくすくす微笑った。

「アズリー、俺との約束忘れてないー?」
「わふーっ。」
「”わふーっ”ってなんだ、”わふーっ”って。」
「ほら葎にぃ。駄目だってば。アズリ葎にぃ大好きだから、構い出すと何もしなくなるもん。」
「あー……ま、いいや。ほれ、アズリ行け。飯つくれ。」
「りょーかいでっす。」

アズリは嬉しそうに微笑ったあと、走って台所に向かった。

「はい、葎にぃ。此れ、するめとビールね。あ。でも晩御飯食べ終わるまでは没収。」
「分かってるっつーの。」
「ならいいけど。ああ、そうだ。訊かなきゃいけないと思ってたんだけど、葎にぃ何しに来たの?」
「あー、それはアズリも一緒に居たほうが二度手間じゃねぇっつーか。」
「そう。ならいいや。」

ハルヒはそっと微笑った。












* * *





「ほら、二人とも。座れ。」

食後、葎は晩酌もそこそこに、自分はソファに座り、目の前にあるソファを二人にすすめた。
ハルヒは葎の前のソファに陣取り、アズリは猫変身で葎の膝の上に陣取る。

「こら、阿呆かアズリ。俺の膝上じゃなくてハルヒの横行け。」
「にゃー。」
「嫌ってか?ほーぉ。いい度胸じゃねぇか、アズリよぉ。」
「にゃー。」

アズリは喉をゴロゴロ鳴らして、葎に擦り寄る。
顔が般若になりかけていた葎の顔がゆるむ。
葎はそっとアズリの喉を撫でた。
そんな光景に惹かれたのか、アズリの愛猫であるカノンも葎に擦り寄ってきた。

「…しゃーない。ただ、ちゃんと聞いとけよ?」

アズリは葎の膝上でにゃー、と鳴いた。















無意味に続きます。
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